第一回 雑貨のMD 「3:ファッション系雑貨の企画」
こんにちは。
いきなりですが、貴方はどのような商品の企画をされていますか?
このページをご覧になっている方なら、なんらかの商品企画にたずさわっていることと思いますが(もしくはこれから商品企画の仕事に入るか)、ファッション系、美容系、飲食系、日用品、印刷物、イベント系(ノベルティーとか)、アーティスト系、芸術系、素材開発系、自動車バイク関連、楽器、住環境系、地場産業、etc 商品企画も色々ありますよね。
さすがに化学薬品系という方はおられないかもしれませんが、素材開発から入るところもあるので、一概に否定は出来ないですね。
【ファッション系の雑貨にはどんなものがある?】
では、今日はその中でも特に「ファッション系雑貨の企画」ということを考えてみましょう。
ファッション系と一言でいっても、これもどこからどこまでがファッションだか分らない。価格帯もそれこそピンからキリまであります。
まず、どんな商品企画があるか考えてみましょう。
1:衣料品
・ デザイナーズキャラクター(デザイナーの感性を前面に出したもの)
・ コンセプト系(スーツなどの重衣料や、雨具、作業着、メイド服など使用する場面を考えて企画されるもの)
・ ラグジュアリー系(宝石ブランドやバッグなどの高級メゾンが出しているもの)
・ カジュアル系(普段に着るもの)
・ 産地系(兵庫県西脇の播州織や愛知県有松絞り、奄美大島の大島紬など)
・ その他、プリントTシャツ専門やニット専門、カットソー専門、デニム専門、アンダーウェアなど
2:雑貨類
・ バッグ類(紳士物、婦人物、学童鞄、袋物、箱もの、自衛隊や消防などの特殊用途などなど)
・ アクセサリー類(シルバー系、ビーズ系、宝飾系、インディアン系、ヘアーアクセサリー専門、シューズアクセサリー、皮革アクセサリー、陶磁器アクセサリー、ガラスアクセサリーなどなど)
・ シューズ類(皮革靴、ケミカルシューズ、下駄、地下足袋、サンダル、作業靴、スポーツ靴など)
・ 身の回り類(帽子、マフラーショールなど防寒グッズ、サングラス、ステッキなど)
・ 特殊用途(レイングッズ、アウトドア系、iPhoneなどのガジェット用など)
これ以外にもファッション=ライフスタイルという観点で考えると、流行りのロードバイクや飲食系もファッションというカテゴリーに入って来るのかもしれません。実際、私も時々関わらせていただく神戸ファッション協会では、ファッションイベントとして「洋菓子フェスタ」「灘の酒と食事業」「ウェディング関連」などもファッションの一部として取り上げています。
このように、現在ではここからここまでがファッションという区切りが不可能で、MDやデザイナーの感性で、様々な物、産業、商材がファッショングッズとして紹介され、商品となって人々の生活に取り入れられています。
そして、服ではあるけれどもカテゴリー的に「雑貨のような服」というものもありますので、ファッション雑貨と一言で言って表せられるものではないのです。
【新鮮な商材を探すには】
私が一番はじめに商品化したのは、塩化ビニールを二つ折りにして、端を高周波圧着させて作った塩ビ製花瓶『フラワーポケット』でした。
どこで作ってもらったかと言うと、電話帳で探した塩化ビニール製品加工の町工場。普段はCDケースを入れるビニールケースを作っている工場でした。
この商品、見た目がシンプルで服屋のディスプレイに映えるということで、『流行通信』『POPEY』『SAVVY』などのファッション雑誌にも取り上げられ、その影響もあって、服のセレクトショップなどでも販売してもらえました。
今でも、暇があると歩いて路地裏の町工場を探しにいったり(別段目的があるわけではなく、何か面白そうな物を作れる工場がないか探しているだけ)、電話帳をパラパラめくって、他産業のモノがファッションアイテムとして化けないだろうかと考えたりしています。
他には、地場産業の展示会をのぞいたり、産業フェアーを見に行ったり、県の工業センターなどへ出掛けることもあります。
巷では異業種交流会などが盛んに行われていますが、そんな場所へ出掛けたり、おおよそ自分の業界とはかけ離れた業界をのぞき見ることで、新しい視点で自分の業界を見る目が養われ、新しい商品開発の種を見つけられたりします。そしてそんなところから産まれた商品は、人々の目にも新鮮で、旧来の焼き直しの商品開発で出てくる商品より、新しいマーケットに育つ可能性も大きいのです。
今回は「ファッション系雑貨の企画」というお題でしたが、次回も引続き同じ題で、ファッション雑貨は実際にどんな流れで企画が行われるか考えてみたいと思います。
では、次回をお楽しみに!
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