腕時計の売れる写真撮影方法
―第1回 魅せ方を考えよう―

毎年、当社にはオリジナル腕時計を作りたい、という企業が多数訪れます。ブランド立ち上げ、キャラクター版権、会員限定通販など、企業の目的はそれぞれですが、どの担当者もよくデザインを研究されていらっしゃいます。

しかし、デザインを十分に研究されているのに、時計を扱った経験の少なさから、その魅力を販売先のお客様に対して十分に伝えることができない方もいらっしゃいます。時計が売れない、その一番の原因は「商品写真」を軽視しているためです。

インターネットで売る。カタログで売る。店舗で売る。時計の売り方は様々だと思いますが、そのどれを選んでも重要なのは、商品の写真です。腕時計は、「物撮り」のなかでも特にライティング=照明のあて方が難しいと言われています。

時計はライティング次第で大きく変わります。実例を見てみましょう。

 

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こちらは当社が製造した腕時計です。影を少なくして、全体的に明るくするように撮影しました。ケース部分は真空蒸着メッキで金色にしていますが、写真では金色というよりも、黄色に近くなってしまっています。この写真では金属の光沢感が伝わりづらいので失敗ですね。

 

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こちらの写真は、明るいところと暗いところの差を大きくしてみました。先ほどの写真と比べると、金属の光沢感がよく表現できたと思います。しかし、今度は全体的に暗くなってしまいました。また、光量を変えたことで、金色の部分が若干薄くなってしまいました。

 


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ライティングを変えて、再撮影しました。最初の写真よりも金属の光沢感が出て、2回目の写真よりも明るくなりました。

 

実際に3つの写真をご覧になられて、どちらが一番気に入られましたか?

1番目、2番目の方もいらっしゃるかもしれませんが、私は3番です。この写真の時計が一番高そうに見えたからです。

ライティングによって時計から伝わるイメージを変えることができますので、貴社のお客様の性別や年齢、ブランドイメージを踏まえた上で、撮影の指示をされることをおすすめいたします。