第一回 雑貨のMD 「8:マーチャンダイジングシステム」

こんにちは。

 

これから「マーチャンダイジングシステム」といことについて書いていきます。

いわゆる「MD」と呼ばれるお仕事ですが、本日はざっくりとMDについて、次回よりMDのやるべき仕事内容を細かく分けて、それぞれについてどのように進めていくかを説明します。

※今回の内容は、自著『お仕事クリエイター』(六甲出版社2004年発行)より、転載します。

 

【マーチャンダイジングシステム】

 

この章では、日々の変化が激しいファッション業界で使われるマーチャンダイジングの手法を元に、取扱商品の品揃え計画から商品構成、販売促進までをみていきます。

 

近代ファッション業界が築いてきたマーチャンダイジングシステムの手法を学ぶ事により、商品計画(予測)〜売場作り(商品構成)〜販売促進〜販売までの流れを身に付け、より精度の高い販売活動を目指します。

この方法はファッション業界にとどまらず、時代による変化がある業界にはほぼ全てと言っていいほど通用する手法です。ファッション業界では、週単位で売れるものが変化します。日々変化していると言っても過言ではありません。

それに対応している方法を知ることで、他の業界にあっても、他社に一歩も二歩も先駆けた業界のパイオニアとなれるのです。

 

ファッション業界は、シーズンごとのカラーテーマ〜素材作り〜製品化〜販売に至るまで、2年程のサイクルで流れています。つまり、現時点では既に再来年の同時期の、最も早く始まる、カラーテーマと素材テーマについての検討がスタートしているのです。

そのサイクルの中で時々の流行があり、日々の売れ筋の変化があり、社会現象の変化による影響など多くの要因が組合わさり、結果として販売実績が出てきます。

コンピューターや通信インフラの発達で、刻々と変わる売場からの情報を、即時に商品企画に反映する事が出来るようになりましたが、それに対応するのは人がつくり出し運営するシステムであり、使いこなす人がいて初めてシステムとして機能します。
ただし、そのシステムもマーチャンダイジングシステムの中できちんと位置付けられ、運営されて初めてその効果が高度に発揮されるのです。

もともと今の様な大型量販店や百貨店が少なく、個人商店が主体の時代には、一人か、または家族くらいの少人数で、これらの職務をこなし、また明確な分担もないまま日々の業務をこなしていました

店の規模が大きくなり、仕入れ先の開拓・きめ細かい商品選び・売場のフォロー・顧客サービス等が必要になるにしたがい、各々の業務に関して明確な業務分担が必要とされるようになりました

このような流れの中で、仕入れ(バイヤー)の仕事をフォローする役割でコーディネイターの仕事が分かれ、各々がより高度な業務を分担するようになりました。

 

では、次のページでマーチャンダイジングシステムを図解しますので、情報の流れ・商品の流れ、業務の流れを理解して下さい。

 

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ファッション業界におけるマーチャンダイジングシステム

 

これは規模の大きな専門店や百貨店・量販店でとられているマーチャンダイジングシステムです。

個人でスタートする場合は、経営〜コーディネイター〜バイヤー〜販売員の役割の全てを経営者が担います。「大変」な仕事ですが、一人で全ての業務を行う事により、意志決定が早く、全てをバランス良く組み立てる事が出来ます。
ここであなたの個性と強みを出して、ビジネスを組み立てることで、同業他社との差別化がはかれ、あなたにしか出来ないオリジナルのビジネスモデルとなります。
以上が、『お仕事クリエイター』からの「マーチャンダイジングシステム」についての抜粋です。次回より、バイヤー/コーディネイターなど、それぞれの役割について見ていきます。

 

ではまた来週。

 

もし、質問やご意見がありましたら、ぜひお聞かせ下さい。

 

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